育成、能力開発、組織成長という分野に長く身を置いていると、メンタルというところはどうしても外すことができない要素となります。
というのも、出きることが増える、知っていることが増えるというのは、いわば「選択肢が増える」になるのですが、
「選択肢が増える」ことは、必ずしも幸せではないということなんです。
選択肢が多くあると人間はストレスを抱え、選択することを止めてしまう。
これをジャム理論といいます。
自由であればあるほど幸福度が下がる”選択のパラドクス”なるものもあります。
そのストレスに負けない方法として、やはり、やる事を決める力が必要となります。
マネジメントです。
マネジメントにはロジカルシンキング、クリティカルシンキング、リーダーシップメント、コーチングスキル等が必要となります。
※リーダーシップメント、コーチングスキルは自身におけるものも含まれます。
そしてマネジメントにはビジョンが必ず根底に必要となります。
それは夢とか志とかに表現されるものです。
しかるに、育成、能力開発にはビジョンありきで、次に準備せねばならないのはマインドセットとなります。
※マインドセットとは経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。 暗黙の了解事項、思い込み(パラダイム)、価値観、信念など、多面的に見てセットしたマインドの全体像を言います。
よく河村コーチから半分皮肉めいて「田村コーチは指導者というより教祖」と言われますが、全くもって褒め言葉として一応受け止めています。
教え子たちには幸せになってもらいたい。
それだけなら選択肢を減らしたほうが良い。できる事を増やさず、知ってもらわずにいてくれた方が良いかもしれません。
しかしながら、そこには発展は無くなってしまう。
出きることが多く、知っていることが多い上で、選択を少なくし臨めるのか?
ということを必要とされるわけです。
昔、萩市で幸福度調査をしたときに、大多数が「幸せだ」と答えられました。
それをとある市議に報告したら「ダメだよ、そんなことをしたら!市民の発展意欲が無くなってしまう。」と怒られました。
もしかしたら、不幸せに耐えうる(?)気にしない(?)メンタルが発展には必要なのかもしれません。
どちらにせよ、能力開発はマインドを度外視するわけにはいかないのです。
近年、価値観が多様化されているのにも関わらず、能力開発こそが「学校・教師の評価」というままでいることで、不幸せな児童、学生が増えているような気がします。
マインドセットできない、する時間がない教員の方が不幸せなのかもしれませんけどね…。