「聞く力」「見る力」は子どもの成長スピードに大きく関係してくるとても重要な力です。
昨今「これからの時代は考える力を要する」と良く言われます。サッカーの育成現場でも「考えなさい!」と良く聞きますね。
考える力とは「問題設定力」「問題解決力」「追及力」「独創力」「実行力」の総合力とも言われ、これはアプトプットなんですよね。
アウトプットするためには、アウトプットするだけの情報が必要であり、情報をインプットがしなければなりません。
そしてインプットするのにも認知力を必要とされます。
折角自分にとって重要な情報がそこにあるのに、認知力が無いばかりに、それを手に入れられなかったら凄く勿体無いものです。
例えば「五感を研ぎすましてください!」と言われ、「ゴカンって何?」って五感の意味がわからなければ五感を研ぎ澄ますことはできないわけです。
これは言語能力(読解力)になりますが、言語能力のベースはやはり「聞く力」「見る力」なんですよね。
「情報収集力」と表現してもいいかもしれません。
人間の能力の大方は脳の性能で決まります。
これは学力があるとかそんな話ではないです。
スポーツにおいては、その基盤であり、何よりも重要な「身体操作」というところで、その指令は脳から発し、神経伝達物質を介し、筋組織に伝達されるもの。
では、脳の性能を上げるにはどうしたら良いのか?
それは脳に刺激を与え、脳を動かすしかないのです。
それを繰り返すことで脳は成長します。
脳に刺激を与え動かすとは、「情報を入れ、行動すること」
これは誰でもやっていることなんですが、その頻度や精度によって脳の性能に差が生まれてしまう。
頻度や精度を高めるには、それが「楽しい」と思えるか、それをしないことによって生じる「不利益」がそこにあるかが大きく関係してしまいます。
できれば前者の方が好ましいのですが、その繰り返しの入口にあるのが、やはり「幼少期のコミュニケーション」なんですよね。
※もちろん幼少期を過ぎても何かのきっかけで情報を入れ行動に移すことが楽しいと思えるようにもなりますし、私たち指導者の役目の1つでもあります。
人間だけでなく哺乳類は生後その個体だけでは生きていけません。
その個体だけでは生きていけない間、自らを生存させてくれる他者に愛情のようなものを与える、また与えさせようとするようにDNAに組み込まれています。
その期間に、良い刺激を与え行動に移してもらい、そしてその成功体験を褒めるということを繰り返すと前者である「楽しい」が発生しやすいです。
「三つ子の魂百まで」「好きこそものの上手なれ」とは良く言ったものです。
育成者として今まで何百人の子どもを見てきましたが「聞く力」がある子はやはり成長スピードが速いです。
また「聞く力」が乏しい子は、周りがやってくれる環境にあったり、自分の我がままが通りやすい環境にあったりします。
(※情報を入れ行動に移す頻度と精度が低くても生きていけるから)
多くの親御さんは、我が子に「成長してもらいたい」と願ってるはずなのに、何故成長スピードに差が生じてしまうのか?
学歴の高いご家庭の子は学力が高い傾向にあるのは何故か?
勉強が苦手なご両親の子でも学力が高くなるのは何故か?
スポーツ一家の子が運動神経が良い(便宜上運動神経と表現します)傾向にあるのは何故か?
運動が苦手な両親の子なのに運動神経が良い子になるのは何故か?
そこには、脳の成長スピードが大きく関係していて、脳の成長スピードを上げることのできる「いつもそこにある何か」が大きく関係してきます。
「インプットし、アウトプットすることで手に入る成功体験という喜び」
それがいつもそこにある環境を子ども達に提供できればなと常々思っています。
やってあげるのではなくやってもらう。
やらなければ不利益があることを体感させる。
一歩踏み出して取り組んだこと褒めてあげる。
やって上手くいったことを聞いてあげる褒めてあげる。
上手くいって調子にのってたら、上には上があることを教えてあげる。
お腹を空かしてる人に魚を釣ってあげるのか、魚の釣り方を教えてあげるのか?
教育とは後者でしょう。
そして、教育には学校教育、社会教育、家庭教育とありますが、もちろん全ての子のスタートは家庭教育からです。
与えるべきものは何か?
刺激と行動という脳が活性化する機会かなと。
そこには大人の思いどおりにやってくれるかどうかは意味はなく
思いどおりではなく思惑どおりが育成スキルなのでしょうね。
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