この度のCY新人戦の遠征では、1年生の試合&トレーニング以外の姿を初めて見させてもらいました。
日頃から口酸っぱく「プレーは日常生活が表れる」と伝えていますが、正しくその通りだと改めて感じました。
宿泊施設に到着して、部屋割り、風呂の時間、夕食の時間、早朝散歩の時間、朝食の時間、出発の時間を伝えて様子を見ていると、時間を逆算して能動的に動ける子、他者についていくだけで自分で考えない子、時間をほとんど意識しない子と分別されます。
この分別がどのようにプレーの部分で一致するのかというと、プレープロセス「わかる→考える→判断する→実行する」が当たり前になっているかどうか?また、トランジション(切り替え)の速さにも繫がっているかと思います。
さて、表題のカロリーのことについてですが、食事時、全ての子の食べ方、食べる量、食べる順番、箸の使い方を観察していました。
以前より、友人が立てていた仮説「肥満体質の人は箸の使い方が悪い」という結構理に適った話が気になっていたのですが、逆に太れない子も箸の使い方が悪かったです。
この理に適っているというところでは、箸の使い方が悪いと、かき入れるように食べる、もしくは食べるスピードが遅くなってしまうところにあります。
栄養摂取で重要なところの1つに消化・分解というところがあり、かき入れるように食べると消化・分解が悪く、正常な栄養摂取が出来難くあります。水分摂取量にもよりますが、便秘ぎみになったり下痢気味になったり、消化器官が正常でないことが多い。
そして、箸が上手く使えないばかりに食べるスピードが遅い方の子はというと、遅い自体は悪くないのですが、必要なエネルギーを摂るために時間がかかり、日頃の生活の中の食事の時間内で食べれる絶対量が少なくなりがちで、胃が小さくなっているかと思われます。
面白い結果では、日頃食べない子が、この度の遠征でいつもの数倍ご飯をお替りしたら、2日目の2試合フルタイムで頑張ることができたというところでした。
試合で直ぐバテてしまう選手は、試合までに蓄えたエネルギーが少ないという可能性が十分にあるということです。
で、本題のエネルギーですが、生きて体を動かす大切な活動の源であり、キロカロリー(kcal)の単位で表されます。
当たり前ながら、1日の消費エネルギー分を1日で摂取していなければエネルギー不足を起こすもので、年齢・性別・身長・体重により1日の消費エネルギーは個人差のあるものの、成年女性が通常の生活をするにおいて平均2000kcalを消費すると言われています。
通常生活での消費エネルギーは体重×30が平均だと言われ、そこに仕事や家事などで消費されるエネルギーが変わってくるわけですが、中学生身長164cm体重50kgとし、通常生活で1500kcalの消費+中学生のサッカーの試合は30分で355kcalとなるので30分ハーフ×4本であれば1420kcal、それ以外でもアップ等々入れると最低でも3000kcal強は消費されます。
試合ではなく日頃でいえばトレーニングが1時間30分で登校下校、朝練、部活などあるので3300~3600kcalは必要とされるのではないかと思います。
となると3食食べることを前提として1食1100~1200kcalは摂らないといけなくなります。
宿舎での夕食はトンカツ、マカロニサラダ、味噌汁、ごぼうのキンピラ、キャベツの千切り等の野菜、みかん半個、白米でした。
トンカツが大体600kcal、マカロニサラダ200kcal、味噌汁50kcal、ごぼうのキンピラ80kcal、キャベツ等の野菜+ドレッシングで35kcal、みかん半個22kcalを合計すると977kcal
朝食は目玉焼き、ウィンナー1本、味噌汁、キャベツの千切り等の野菜、味つけ海苔、バナナ半本でした。
目玉焼きが130kcal、ウィンナー100kcal、味噌汁50kcal、キャベツ等の野菜+ドレッシングで35kcal、バナナ半本で43kcalを合計すると358kcal
2日目お昼食はチキン南蛮弁当ご飯大盛か唐揚げ弁当ご飯大盛のどちからでしたので
チキン南蛮弁当ご飯大盛1006kcal、唐揚げ弁当ご飯大盛901kcal
977+358+901=2236kcalとなり1000kcal以上不足しています。
この不足分を夕食、朝食の白米に換算するとちょうど2合ほどとなります。
2合ということは700gとなりますので、茶碗1杯160gとして夕食、朝食合わせて約4.4杯になります。
ただこれでは体型維持できる量なので、それ以上摂取しないと体重は増えない。
ということで宿舎では一人平均夕食に2合弱、朝食に1合ほど摂ってもらいました。
余裕で食べれる子、頑張ったら何とか食べれる子、苦しみながら食べる子と分かれていましたが、やはりそれは体格と試合での体力的パフォーマンスにも大きく関係していました。
ご家族の皆さまにもご協力を願うこと以上に、本人達が認識してもらえるように、次回の雨の日の講座はエネルギーだけでなく必要摂取栄養素と量、そして効率の良い摂取タイミングについて講座を開きたいと思います。