スキルの細分化と自己修正能力

最近小学生にスキル習得のために伝える例え話があります。

レストライザック通信にも書いた「最初の20時間」の話に関係する話です。

「苛立ちの壁」をどう乗り越えるかがスキル習得を成せるかどうかの境目なのですが、「苛立ちの壁」を乗り越えるためには4つの注意点のうちの「スキルを細分化する」ことと「自己修正能力」が大きく関わってきます。

「できない」のは「できない方法」を繰り返しているからであり、「できない方法」を繰り返し20時間続けても「できない」のです。

「できない方法」を「できる方法」へ変えないといけない。

これが「自己修正能力」です。

そして何ができないところなのかに気付く必要があります。

そのスキルを細分化しないと、そのスキルを行うにあたって、どの部分が「できない方法」に該当するのかが見つけられません。

前回の合同練習後小学生高学年以上にはテニスボールを配給し、テニスボールリフティングもしてもらっています。

まだ20時間やってはいないでしょうが、既に差が大きく出ています。

そろそろ100回できそうな子もいますし、まだ10回くらいの子もいます。

また、20回くらいできるようになった子は、サッカーボールでのリフティングが劇的上達していたりします。

反対に5回くらいしかできない子もいます。

5回くらしかできない子を観察すると、やはり「できない方法」を繰り返しているのです。

実はこの現象は中学校の方でも起こります。

何故、このように差が出るのか?

これには一個まえの「こどもは天使?こどもは悪魔?で書いたことに大きく関係するところもあります。

「できないだろうから親がやってあげなくては」となってるご家庭の子は、「できないことを繰り返す」傾向にあります。

「成し遂げるために成し遂げる方法を考える習慣」が要するのです。

かといって、指導現場で成長しない理由の全てをご家庭の責任にしてしまうのでは、ある意味指導放棄なので、そういう子には、考えてもらうきっかけを与えないといけない。

そこで本題の例え話になります。

サッカーのスキルって結果論的なところがあり、丸いボールを自由にコントロールできれば「スキルがある」になるんですが、その方法って一つだけではない…というか人によって違いがあります。

例えば、狙ったところへボールをインステップで蹴るというスキルでも、ボールを当てる足の甲のポイントが若干違ったりします。

ひざ下の長さ、足のサイズ、関節の駆動域も関係するでしょう。

なので、「こうだ!」という手法を断言するのは難しいのです。

なので、どうしても自己修正能力が必要とします。

「できない」ことを繰り返している子には「できる方法を考えなさい」とまず伝えます。

その後、「1回でも上手くいったときの、ボールがあたったポイント、ボールに当たった足の向き、足の動かし方はどうだった?」と声をかけます。

それでも、自己修正へ思考をもっていけない子には

「リフティングだって、ボールを狙ったところへ蹴ることだって、ピアノを弾くことだって同じだと思うよ」「一つの曲を弾くのに、決められた楽譜があって、このタイミングに”ド”を叩かないといけないときに、弾きにくいからって”レ”を叩いちゃえってならないでしょ?”ド”を叩かないといけない場所で別の音を出したら別の曲になっちゃうじゃん。”ド”を叩けるようになること考えようよ。」と伝えます。

多くの自己修正ができない子は、達成することを考える前に「自分にとってやりやすい動作」を選択するのです。

前述したように、これは中学生になっても、そういう思考の子はそう。

「最初の20時間」の動画で最後にプレゼンターがウクレレを弾くというのも、よく考えられているなと思いました。

コードの押さえ方は決められていて、勝手に変えちゃってはならないわけです。

「押さえにくいコード」を曲の流れの中で「押さえれるようになること」にトレーニングを積み重ねていかなければ、時間を使っても「苛立ちの壁」は越えることは難しいわけです。

そもそも「コードごとの弦の押さえる場所」を知ろうとしないのであれば、問題外なんですよね。

まぁその前に自主トレをしないのも話になりませんが(笑)

ピアノを習わせているということと同等にサッカーを習わせているということを捉えれば、また違った見方ができるかもしれません。

できないのには、できない理由があるのです。

そして、できる人はできない理由を考えるのではなく、できる方法を考える。

大人の社会でも言われることですね。

あと、他の要素で成長を促すには、当たり前という環境を作るってことだと思います。

食生活で箸を使う環境に身を置けば、誰でも箸が使えるようになります。

「必要に駆られるか」というのも大きな要素です。

最後に、別の子供たちに伝える例え話ですが

「事故で両手が無くなり、足の指で箸を使ってご飯を食べれる人もいるだよ。その人はそれをする必要性を感じたからだと思う。決してその人が最初から足で箸が使えたわけじゃない。それに比べ、テニスボールでリフティングできるようになるなんてとても簡単なことだよ。問題はやってやる!できるまでやってやる!って心の底から思えるかどうかなんだよ。」

“必要に駆られ行動に移す”

心理学者のアドラーによれば、人が必要に駆られ行動に移すのは「願望を抱く」か「不安(恐怖)を抱く」かとのこと。

元大学1年生の子たちに「田村コーチは恐怖を与え、人を動かす方やね」って言われたのが未だ耳に残っています…

当時にくらべだいぶ改善はできているとは思うのですが、まだまだ改善の余地は大いにありますので、私も指導者としての更なるスキル習得のため、スキルを細分化し、自己修正していかなければなと思います。

 

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