最近、サッカー部設立運動への見解を良く求められ、時間を割かれることが多いので、ちょっとココに纏めておこうと思います。
※私が関係してきたところは確かなことですが、それ以外は人伝えで聞いたものなので、ソースがあるわけもなく細部まで確かかどうかはわかりませんということをご留意ください。その部分は※をしています。
さて、昨今、スポーツ庁では総合型地域スポーツクラブを推進し育成に力を入れています。
萩市でも至誠館クラブというものができました。
また地域の健康産業である某企業も、民間ビジネスですが、総合型へシフトしてきています。
レストライザック北浦FCが目指すアルビレックス新潟は正しく日本でNo.1の総合型地域スポーツクラブです。
アルビレックス新潟は別ににして、何故そのようなことが起こっているのかと考察すると、
①人口減
②地方経済の縮小化
③財政の悪化
となるかと思います。
この流れとは全く反対にあるのが「萩高にサッカー部を作ろう」運動だと思います。
1サッカー人として応援したいところではありますが、1市民として、全面的に応援できないところがあります。
というのも…1つは、総合型地域スポーツクラブの推進の理由のひとつになっているはずの、部活(学校の先生、税金)に頼らないスポーツ環境の構築に世の中はシフトしているということ。
もう1つは市外高校への流出にこじつけていること。
この2つが大きな理由です。
あと、細かいことをいえば、県立高校の部活設立規定に、「同好会として活動し、3年間人数が揃い活動できたとき部活に昇格できる」とあるそうで、市内高校には「3年間活動したのち、教員と生徒の決議を以って部活に昇格」という一文があるそうです。※
「活動」というところでは、公式戦に出場するためには指導者ライセンス保持者が必要です。
となれば、時代に逆行して部活を作りたいのであれば、先ずはサッカー部を作ることからではなくて、「同好会を作って活動しよう!」になるんじゃないかと思います。
そして、手弁当でライセンス保持者を用意しようというサポートが必要となってくるかと思います。
15年前くらいに萩高にサッカー部を作ろうという運動が大々的に行われました。
そのときは萩高サッカー同好会に15人くらいいて※、サポートする指導者もいて複数年活動もしていましたので、何故それでも作ってくれないのかという運動でした。
その後、FC萩ユースができたように、本当にやりたいのであれば、民間でもできちゃうところも賛同できない1つの理由です。
また、市外高校への流出にこじつけているところが認め難いところは…
市民や高校教員が良く言われるように、「何故萩高限定なのか?」というところです。
6000名の署名があれば、もしかしたら某私立の高校にサッカー部を作れるかもしれません。
「サッカー部がないから市外に流出するんだ。だからサッカー部を作るべきだ。」という理論どおりなら、私立高校でも良いはずなんです。
それで生徒が増えるなら私立高校もwinwinですしね。
では、何故市内私立高校にサッカー部ができないのかという理由を考察するわけですが、やはり費用対効果が見込めないからだと思います。
強化するしないに関わらず、顧問が必要で、そこに資本を投入して、果して何人入ってくれるのかというところではないでしょうか?
一時期はスポーツで学校を有名にし生徒を増やしていく手法が日本各地の私立高校で取られていましたが、特に団体競技ではその効果が薄いということがわかり、私立高校も費用対効果が高い種目に力を入れるようシフトしてきました。結構な数のサッカー部員がいる私立高校でも財務を圧迫しているとも聞きますしね。
まぁ市内私立高校については、10年前に対内的にサッカー部を作ることを検討され、職員会議にかけられましたが、別の理由で否決された過去があります。
「だからこそ公立で!」という理論もわからなくもないですが、国からの推奨は前述したとおりで、「やりたい若者がいるんなら部活を新たに作ってあげよう!」とはならないと思います。
まぁ萩市が予算を組んで萩高サッカー部の運営費を出そうというならあるかもしれませんが、間違いなく単一競技だけ認められるという話にはならないですし、行政としては、至誠館クラブもできたことだし、衰退する萩のスポーツ組織・関係は、みんな受容して、一纏まりになってやってくれたほうが絶対良い!となるでしょう。
更に、こじつけの部分で嫌なのが、「市内にある大学にも進学しよう!」がセットではないからです。
高校定員割れより、あっちの方がよっぽど地域が抱える問題です。
市外の高校へ行く家庭も市外の大学へ行く家庭も、根底にある理由は同じなはずです。
それを解決する手法は、サッカー部を作ったからといって解決できるものではないからです。
最近、仕事で取材してて思ったのは「そんなことなら、ちゃんと情報を共有して、最初から手を組んで協力すれば、色々解決できるかもしれなかったのに…」です。
萩のスポーツ環境にある根底の問題は、結局のところ「おらが村」という住民の資質にあるかと思います。
ということで、助言があるとすれば、市内で高校サッカーができる環境を作りたいなら、至誠館クラブと話してみるのも良いかもですよ!です。
最後に…高校の部活設立の規定を高校教員から聞き、ふと思い出したのが「市内中学校坊主廃止運動」
中学1年生のときに担任に宣言し、順序を経て、市内PTAはもちろん、市内中学生徒会をも巻き込み、やっとのことで長髪解禁となったのは卒業前の3学期。
新学期の挨拶で、全校生徒に向け「僕らは恩恵を受けることができないので、やっぱナシで!」と冗談を言いましたが、それはそれで良かったのです。
そう思える人が集まり、5年10年と運動を頑張るというのであれば、両手離しで応援したいと思います。